ハード&ヘビー

第45回スーパーボウル・プレビュー

Football galvanizer
Sadao Goto
(TOUCHDOWN PRO2011年1月発売号より転載)

最も洗練された古豪対決
 NFLの伝統を背負う2チームの対戦。NFC代表のグリーンベイ・パッカーズは史上最多のNFL制覇12回、一方AFCのピッツバーグ・スティーラーズは70年に開始したスーパーボウルでの優勝が6回とこちらも史上最多、2月6日(日)米国テキサス州ダラス、カウボーイ・スタジアムで開催される第45回スーパーボウルは、まさしく名門対決となった。スーパーボウル出場はスティーラーズ(以下ピッツ)が2年ぶりX回目、パッカーズが(以下パックス)14年ぶり4回目の出場だが、両者がスーパーで対決するのは初めてである。

 現地時間1月23日(日)のカンファレンス選手権試合では、2チーム共に酷似した展開で、辛勝だった。先に行われたNFCでは、前半は完勝ペースだったパックスが、交代QBヘイニーのリードするベアーズの猛追をうけ、21対14で辛くも逃げ切った。AFCもピッツが前半で24対3と圧倒したが、後半には奮起したジェッツに24対19と5点差まで詰められた。この経過は両チームが後半問題ありとする証明ではなく、対戦した4チームのレベルが拮抗しており、ひとたびアドバンテージをとると、加速度的に展開が進展するこのスポーツの特徴を反映したものであろう。選手権戦は凡戦が多いという風評を一掃した。

過激で加重なバトルとなる
 古豪の対戦と表現するも可能だが、一般に焼きついたクラッシクなイメージと違い、最も現代的に洗練された2チームといえる。
 それを象徴するのが攻守のバランスの良さだ。どちらもゲームプランのベースを担うだけの安定性がある。
 ピッツのロスリスバーガー、パックスのロジャーズ、QBはどちらも、強肩で精確なパスを投げ、アスリートで動きも良く、脚力もある。大試合では重要な、ゲーム・ブレークする、集中力もある。
 守備は最もコンテンポラリーな34守備を激しく、的確に展開する。変化に富んだブリッツだけでなく、試合の流れを変えるビッグプレーをやってのける守備バック、Sポラマール、そしてCBウッドソンがいる。
 ヘッドコーチは選手の信頼が厚い。
 守備コーディネーターにも名手が揃う。ピッツのルボーはゾーンブリッツの考案者であり、状況に応じた戦術の選択にも定評がある。パックスのケイパースも的確なプレーコールで知られるが、じつは彼は一時ピッツで守備プレーコールを担当していた。
 チームに活力を吹き込む、エリート・パスラッシャーも五分五分だろう。ピッツにはOLBハリソンが、パックスには今年の大ブレークしたマシューズがいる。
 こうあげると、メンタルにも相当ハードでヘビィな試合になる。

 数字をあげておこう。スティーラーズは攻撃の獲得距離はリーグ14位、守備の喪失距離は2位、一方パッカーズは攻撃9位、守備5位。ターンオーバーレシオがピッツはプラス17、パックはプラス10。反則はピッツが93回、838ヤード、パックスが71回556ヤード。(記録は10年度レギュラーシーズン)

米国での優位予想
 展開は予想がつかない。
 試合残り時間わずか3秒、得点は36対30とパッカーズがリード。瀕死のスティーラーズだったが、スナップをうけたQBロスリスバーガーはエンドゾーンの左サイドラインに鋭いパスを投げ、バックショルダースローに反応したWRウォーレスが飛び込んだ。クロックがゼロとなった中、トライのキックが決まり、37対36とスティーラーズが息が詰まるような逆転勝利、これが両者の最も最近の対戦、2009年11月30日の試合だった。
 両チームの出場が決まった本日(24日)、早くも公式勝敗予想といっても良いオッズがラスベガスでいくつか発表された。若干のばらつきはあるが、平均してパッカーズが僅かに優位、2点優位というのが多かった。6位シードから勝ち上がったパッカーズへの関心が高いのを考慮したオッズかもしれない。
 波乱の展開が続いた今季を象徴する、充実した僅差の展開になることは約束出来る。

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