PREDICTION

2010順位予想

Football galvanizer
Sadao Goto
(TOUCHDOWN PRO2010年8月発売号より転載)

ジェッツ、本命コルツに雪辱できるかーAFC

ジェッツとペイトリオッツ―東地区
 伝統のチーム作りである、確実なラッシングと優れた守備で地区優勝はジェッツ(13勝3敗)。核となる選手の周囲を再建中だが、トム・ブレイディが攻撃の、ベルチックが守備を指導する限り、ペイトリオッツ(10勝6敗)のワイルドカード・プレーオフは間違いない。ブランドン・マーシャルとカルロス・ダーンズビーの獲得は大きいが、ドルフィンズ(7勝9敗)のQBヘニーにはまだ時間が必要。同地区の3チームは人材アップしたが、ビルズ(3勝13敗)いまだ準備中。
レイブンズ―北地区
 7敗中4敗が3点差以内だったレイブンズ(11勝5敗)は、WRアンクワン・ボールディングを獲得してQBフラッコの威力が倍増、エイジングになやむ守備の負担を減少させる。スティーラーズ(10勝6敗)はQBロスリスバーガーの出場停止を、守備のタレントで埋めたいのだろうが…。ベンガルズ(8勝8敗)は攻撃のエース不足、タフな日程に悩む。ブラウンズ(2勝14敗)は、ホルムグレン社長の初年度で様子見となる。
コルツとタイタンズ―南地区
 コルツ(12勝4敗)の安定性は群を抜く。QBペイトン・マニングは効率よく、ある時は爆発的に攻撃をリードし、守備のスピードとタイムリーなサック、テイクアウエーで地区制覇。平均年齢が上がり、負傷が心配。去年は絶望的な序盤6連敗で崩れたが、今年は最悪スタートでも、QBヤングとRBジョンソンがタイタンズ(11勝5敗)をプレーオフに導くだろう。テキサンズ(7勝9敗)は着実な成長があるが日程が厳しい。守備ボックスとラン攻撃の向上が必要。最もタフな地区の一つであるが、ジャガーズ(5勝11敗)には、核となる武器がない。
チャージャーズ―西地区
 トムリンソンは抜けたが、チャージャーズ(12勝4敗)のパスオリエンテッドなチーム作りは容易だろう。問題はプレーオフをターナーHCがどう戦うのかだ。チーフス(9勝7敗)は同窓スタッフを集めたペイトリオッツ西部版。ワイズOCが攻撃力を引き出し、サプライズチームになるかも。レイダース(5勝11敗)は激しく練習して、タフに戦えば五分に近づく、波が多すぎるのが課題。去年QBカトラー、今年WRマーシャルを放出したブロンコス(4勝12敗)は、マクダニエルHCの真価が問われる。

強気圧のジェッツ AFC黒馬
 AFCでは、ジェッツを推す声が多い。シーズン直前になってさらに大物補強が続き、ポジティブな関心がニューヨークに向いた。まず、斬新で、大胆で、痛い守備がある。昨年就任のレックス・ライアン・コーチが、喪失距離リーグ最少の強烈守備を仕上げた。今夏さらにサックのLBテイラー、CBクロマティーなどを補強した。2番目は、2年目QBマーク・サンチェス(USC)が昨季プレーオフでみせた進境。彼へのプレゼントは、直前補強43回スーパーボウルMVPのWRホームズである(ただし、薬物汚染で4試合出場停止)。3番目に、相手QBがパスを避ける地域、リービス・アイランドがある。インターは怖くて、4年目のRCBダレル・リービスのサイドにはパスを投げられない。4番目は無名だが実力がある守備第一陣。さらに5番目として、昨季1位のラッシングに、チャージャーズから天才RBトムリンソンを迎えた。盛りを過ぎたとはいえ、ごっそり人気選手を獲得したところに、チームの決意を感じる。
 しかし、このチームの最大の魅力は、コーチのライアンの、選手サイドに立った積極的な指導力だろう。大物獲得の裏には、ネガティブ思考をもっていたこれまでの主力Gアラン・ファニーカ、KRレオン・ワシントン、RBトーマス・ジョーンズなどの多量放出がある。これで、全員が同じ方向を向けるか。2年前のジャイアンツのように、決定機での奇跡が起こせるか。すべては、QBサンチェス次第だろう。AFC選手権での、マニング対ライアンの火の出るような攻防も期待したい。まずは、開幕のレイブンズ戦が見逃せない。
 AFC優勝は、本命コルツ、対抗ジェッツ、黒馬レイブンズ、大穴タイタンズ。

カウボーイズは夢の本拠スーパーを狙うーNFC

カウボーイズ―東地区
 ロモへの疑問と12月の不振は話題から外れ、いまやカウボーイズ(12勝4敗)は穴の少ないNFCのエース。守備にタレントが揃い、ランゲームも層が深い。ジャイアンツ(9勝7敗)はQBへのパスラッシュと、敵陣へボールを運ぶラッシングの強化が必要。イーグルス(9勝7敗)は新QBコルブでの負け越しは避けたいが、守備に幾つか大きな穴がある。QBマクナブの加入は大きいが、レッドスキンズ(6勝11敗)の課題はOL。
バイキングスとパッカーズ―北地区
 QBファーブは戻ってくるだろうが、限界年齢に近づき、バイキングス(12勝4敗)は今年がラストチャンスであるのは間違いない。パッカーズ(11勝5敗)はQBロジャーズと34守備に未来がある。ただ課題の攻撃バック、守備バックの補強が必要。ベアーズ(8勝8敗)のQBカトラーが新OCマーツのパス攻撃をマスターするにはもう少し時間が必要。ライオンズ(3勝13敗)がこのタフな地区で生き抜く力はまだない。今年はトリプレッツ(スタッフォード、ジョンソン、スミス)の成長。
ファルコンズ―南地区
 ファルコンズ(12勝4敗)の09年の不振は、前半はRBターナー、後半はライアンの負傷からだった。今年は攻撃を強化、守備はチームワーク向上に成功した。昨年リーグ優勝のセインツ(10勝6敗)だが、HCペイトン、QBブリーズが導く攻撃力は安定。少しタフになった日程もあるが、最大の敵は宿願達成後のメンタルダウン。過去5年スーパーへの連続出場はない。パンサーズ(8勝8敗)は先発QB争い、OLとラン攻撃は安定している。バッカニアーズ(3勝13敗)は良い感触のある新QBフリーマンの下で攻撃の基礎を確立、でも守備は大きな課題が残る。
49ナース―西地区
 QBアレックス・スミスは、ゴア、デービス、クラブツリーのスキルポジションのバックアップを得て一人立ち、LBウィルスの率いる守備も頼もしく、好漢シングレタリーHCに率いる49ナース(10勝6敗)は地区優勝。名手ワーナー引退後の先発QBを勤めるライナートは、あせることはない。カーディナルス(8勝8敗)にも僅かだがプレーオフの可能性あり。ラムズ(4勝13敗)のQBブラッドフォードも、そして守備も、波はあったが進歩のサインもあった。キャロル新HCが再建に取り組むシーホークス(2勝14敗)は時間が必要だろう。

機が熟した?カウボーイズ NFC本命
 あまり、聞いたことがなかったが、NFLで最もプレッシャーのかかるQBは、カウボーイズのQBだそうだ。ジーズン直前の米誌がストーバックとロモの新旧カウボーイズQB対談の冒頭をこの言葉で開始していた。それだけ、今年のカウボーイズへの期待が大きいのだろう。カウボーイズがスーパーボウルに進出すれば、本拠スタジアムのスーパーに出場する史上初のチームになる。
 昨年、新スタジアムを完成、96年以来初のプレーオフ勝利をあげたカウボーイズだが、バイキングスに大敗(3−34)した。あれから1年、機は熟したのか。ロモが学習して、今やリーグを代表するWRマイルズ・オースティン、TEジェイソン・ウイッテンに今年指名のディーズ・ブライアントでパスが完成、フェリックス・ジョーンズを核に、バーバー、チョイスでランが完成。守備には自信のあるフィリップスHCには、LBウエア、NTラトリフを中心の守備も問題なし、これでスーパー出場実現というのが、ジェリー・ジョーンズ・オーナーが男のロマンを賭けたパーティー・シナリオである。
 ただし、問題は12年間スタートのアダムスをカットしたLT、そしてハムリンをリリースしたSFのポジションだろう。シビアな欠点攻撃が多いプレーオフを乗り切れるか、ロモのここ一番のパフォーマンスと共に不安がある。
 NFC優勝は、(オーナーJJと『PRO』編集長の夢に賭けて)本命カウボーイズ、対抗バイキングス、黒馬パッカーズ、大穴セインツだろう。

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