18−0
SB42へPATS全力疾走

Football galvanizer
Sadao Goto
(TOUCHDOWN PRO2007年12月発売号より転載)

史上初の19戦全勝を狙う
 寒雨の中、目をあわさない硬い表情で2人のコーチが握手を交わして遺恨試合が終わり、21対10でペイトリオッツは14戦全勝を守った。開幕戦で対戦、パッツが38対14と大勝したが、ジェッツのマンジーニの訴えで、パッツのベルチックには相手守備の盗撮容疑でリーグから25万ドルの罰金、過去の栄光もスパイ行為を利した疑惑の勝利と汚名がつけられた。窮地にパッツ全員は結束、真価を証明するように圧倒的な得点を重ねた。最後の壁と噂された前14週のスチーラース戦も、挑発したSFスミスを標的にして、34対13と圧倒した。誇りをかけて72年のドルフィンズ以来のシーズン全勝に進むパッツだが、当時ドルフィンズコーチだったドン・シュラは「パッツの記録はベルチックの犯罪と同じようにアスターリスクする(注釈をつける)のがふさわしい」。ドルフィンズが13連敗中(14週に初勝利をあげた)とあってか、辛らつなコメントを発表した(後日取り消し)。
 QBブレイディは完璧である。パス力、知性、そしてWR陣。QB出身のラムズのリネハン・コーチは、「私が見た現代では最高で、完璧以上のQB、彼を愛してるよ」と絶賛。「成功するとラインマンとフェイスマスクをぶつけ合ったり、彼は勝利を期待できるものの全てをチームにもってきてくれる」。QBレートは119.7、マニングの121・1の史上最高記録より下がったが、もちろんリーグ1位。シーズン通算TDパス45は、マニングの49を破る勢いだが、本人にはその意識はなさそうだ。チームも攻撃1位、守備4位、キックリターン3位、ターンオーバーレシオ(TOR)1位タイ(プラス19)と完璧なバランス。ベルチックとしては、コルビンの負傷で薄くなった守備LB陣だけが気がかりだろう。19戦全勝の可能性はきわめて高い。

四強を追うジャガース、バイキングスか
 第15週を終了してプレーオフ出場決定は、AFCは東のパッツ、南のコルツ(12勝2敗)、西のチャージャーズ(9勝5敗)の3チーム。NFCは東のカウボーイズ(12勝2敗)、北のパッカーズ(12勝2敗)、北のバッカニアーズ(9勝5敗)、西のシーホークスの4チーム。合計7チーム、いずれも地区優勝。パッツ、コルツ、カウボーイズ、パッカーズが四強だろう。
 残る合計5チームの争いはかなり厳しい争い。
 AFC北はリーグ1位の1317ヤードを走るRBウィリー・パカーとリーグ1位の守備で、伝統を守るスチーラース(9勝5敗)が地区優勝候補。26TDと14INTの比率から見ても地力を感じる大型QBデレク・アンダーソンが引張るブラウンズ(9勝5敗)はスティーラーズに2敗しており、ワイルドカードだろう。
 南のジャガース(10勝4敗)は、驚異のレイティング2位(101・6)のQBギャラードが核となった9位の攻撃、プラス9の攻撃的な守備がある。通算1万ヤードを越えたエースRBテイラー(13年目)は、10箇所の負傷歴を持ちフラジャイル(割れ物、取り扱い注意)・テイラーの異名があるが、センスと脚力は絶品、2年目の逸材RBジョーンズドリューとの信頼関係も好感がもて、プレーオフ当確だろう。
 NFCのワイルドカード争いも微妙。序盤、ジャイアンツ(9勝5敗)はQBマニング弟を中心した安定攻撃と復活した守備力で序盤5連勝したジャイアンツ(9勝5敗)だが終盤もたつき、第16週のビルズ戦が鍵となる。後半チャージしたのは北のバイキングス(8勝6敗)、旋風を起こした新人大型RBピーターソンを核にラッシング攻撃1位、さらにリーグ1位の8TDを奪った攻撃的な守備がある。ぎりぎりで顔を出すのが南のセインツ(7勝7敗)。開幕4連敗したが、終盤攻撃が5位まで向上して勝率五分まで持ちなおした。QBブリーズのパスも92・1と8位へ、最終2試合はイーグルス、ベアーズと名門の意地をかけた相手が待っている。

2007TE&SSクラブ
 NFLのフィールドで近年の注目は、現代戦法の変化と多様性を担うタイトエンドとストロングセーティだが、今年も両ポジションを中心にした駆け引き、ハードヒットの応酬が続いている。
 TEの定位置はOTの隣なのだが、個々のタレントに応じて様々な位置にポジションをとり、守備を悩ませている。バックフィールド、HバックまたはWBポジション、スロット、スプリットエンド、さらにスナップ前に、そこからシフト、モーション、ズームまでしてくる。第10週でカウボーイズ相手に、ジャイアンツはTEショッキーを、スプリットしたFLに位置させ、その結果、ぺリメーターでショッキー対SSウイリアムズの豪華対決が実現した。結果、12捕球129ヤードでショッキーの勝ち。
 第12週の対ベアーズ戦でブロンコスはTEシェフラーをワイドに位置させた。これで誰がTEをマンカバーしているかが確認出来る。担当したのはSアーチュレッタかLBヒレンメーヤーだったが、シェフラーは2人とも打ち破った。
 SSでは負傷がなく存分の活躍でコルツのラン守備を大幅にアップさせたボブ・サンダースのハードな動きが話題となった。
 守備のボックス(DLとLBを配置する長方形の地域)の選手数が攻撃のブロッカーより多かったら攻撃はパスを、少なかったらランを選択、同じ数ならパスかランを選択するのがNFLの原則なのは知られている。
 守備の基本原則はボックスに7人の守備選手を入れ、攻撃の基本は対応して5人のOLと2人のブロッカーをいれることである。コルツはカバー2守備をとるので、SSサンダースの位置はラインから12ヤード以上離れた深い位置になる。したがって、7人のブロッカーでなく、両サイドのWRがSSのブロックを担当するのが一般的である。ところがコルツにはマンプレスカバレッジが強いCBジャクソン、ヘイデンがいる。このプレスを押しのけWRがSSにブロックに向かうのが非常に難しい。かくして、素早い判断と俊敏な動きで、プレー開始直後に8人目としてボックスに入ったサンダースはライン周辺で激しいヒットを加えることが可能になるのである。

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