MVP候補
第41回スーパーボウル予想

Football galvanizer
Sadao Goto
(TOUCHDOWN PRO2006年12月28日発売号より転載)

 今年のMVPは誰だろう。
 AP通信、スポーティングニュース、週刊プロフットボールが3大アワードといわれているが、昨年度は3社ともにRBショーン・アレクザンダー(シアトル・シーホークス)を選んだ。

 第14週を終了した現在、プレーオフ出場を決定しているのは6チーム。AFCは北地区のボルティモア・レイブンズ(地区優勝)、南のインディアナポリス・コルツ(地区優勝)、西のサンディエゴ・チャジャース。NFCは東地区のダラス・カウボーイズ、北のシカゴ・ベアーズ(地区優勝)、南のニューオーリンズ・セインツ(地区優勝)とあわせて6チーム、残り枠は6チームである。レイブンズ、チャージャーズ、セインツは想定外の躍進、残りの3チームは順当な勝ち上がりだ。

 順当と書いたが、今季は波乱の展開で、早々に決めた3チームにとっても茨の道だったに違いない。とくに、大本命のコルツ(11勝3敗)は開幕9連勝を独走したが、それからはダンジーも胃が痛む大苦境に落ち込んだ。以後5試合で2勝3敗。おなじみの天才QBペイトン・マニングがパスで主導する攻撃は変わらずリーグトップの破壊力だったが、問題はこの2、3年ささやかれたカバー2守備の弱点だった。
 パス守備を主眼においたこの守備はラン攻撃に弱い。序盤戦からラン守備はリーグ最下位だったコルツだが、終盤を迎えて、あとがなくなった対戦相手が見栄や外見を捨ててごり押しのラッシュ攻撃を展開、これで大穴が白日にさらされた。第14週ジャガーズ戦ではじつに375ヤード(史上2番目の最悪記録)を走られ、17対44の完敗で3敗目。15週ベンガルズ戦では先制&ボールコントロール(33分04秒)で3連敗は免れたが、プレーオフには大暗雲がかかった。

 さて、MVPだが、第9週まではペイトン(30歳)が大本命、それ以降も彼自身はそれなりの成績を残しているが、いかんせん守備の急落でチーム成績と共に評価は急落しつつある。代わって台頭してきたのが、チャージャーズのRBラデイニアン・トムリンソン(27歳)だ。チームは12勝2敗、8連勝中。攻撃5位、守備7位の好均衡を持つが、推進するのは6年目のトムリンソン、愛称はLTである。スピード、バランス、敏捷性、視野、精神力といずれも完璧なRB、178センチ、100キロとコンパクトなカラダだが強靭。彼のもう一つの魅力は攻撃ラインに絶好のブロックアングルを提供する、セットアップ能力。ブロックに守られるというより、走り出したら彼がチーム全体のコントロール役となる。テキサスクリスチャン大1年時にはY体型のQBだった経験を生かしパスも投げる。今季のパッサーレーティングは驚異の125・0、といっても投球回数は3回だけ、しかし2成功で2TDである。第15週には、シーズン28TDラン、通算186得点、8試合連続マルチTDと3部門でリーグ記録を達成、あと2週で記録を更新するは間違いない。もちろん、1626ヤードでリーディングラッシャーだ。今季のチームの躍進は、彼だけでなく、新スタートQBリバース(91・5ポイント、7位)、TEゲイツ、LBメリマンなど多数の同僚の活躍に負うとことだが、ショッテンハイマーと選手が対立したあの暗黒の03年から立ち直らせた指導力を含め、私のLTの評価は高い。

 今年の旋風といえば、まったくの無印から急台頭したセインツだろう。昨年ハリケーン被害で本拠を失い、低迷したチーム力はどん底に落ちた。今年はコーチ、主力選手を一新、再建1年目だったが、すべてが成功して、突貫工事で修復したスーパードームは今や米国一の熱気に溢れている。成功の第一は新コーチのシーン・ペイトンの指導にあるのだが、新人RBブッシュ、LBトリオの新勢力をまとめる、QBドゥルー・ブリーズ(27歳)の活躍に負うところが大きい。おきづきだろうが、ブリーズは昨年までチャージャーズにいた。リバースの台頭もあって、求められて新天地セインツに移ったが、今年の活躍は、サンディエゴ時代に優るとも劣らない。
 現在パス獲得距離4240ヤードで、英雄マリーノにつぎ史上2人目の5千ヤードパッサーになる可能性は十分にある。4830ヤードを越せば史上2位の記録だ。3年前から、機動力のある安定したパス力をつけ、そのリーダーシップから「勝てるQB」としての高評価があったが、今年はそれの記録がついてきた。昨年のセインツは3勝13敗、今年はすでに9勝5敗。「ドゥルーは、どのスタートQBよりもチームを背負って戦っている」とCBSTVに紹介コメントがあったが、特別なRB、すごいWRがいないセインツでは彼が1人ですべてをリードしなければならないからだ。
 もし、チームがNFC選手権にでも出場するようなら、MVP候補の一番手になる。
 2人に加え、シカゴ・ベアーズのミスターNFL、LBブライアン・アーラッカーも有力な候補になるだろう。

 プレーオフは1月6日(土)に開始する。急ぎプレーオフ予想をしておこう。
 AFCは優先順位順に、サンディエゴ(西)、インディアナポリス(南)、ボルティモア(北)、ニューイングランド(東)、シンシナティ、NYジェッツが出場、決勝ではコルツを倒したボルティモアと、ニューイングランドを破ったサンディエゴが対戦するだろう。
 一方のNFCは、同じく優先順位順で、シカゴ(北)、ニューオーリンズ(南)、ダラス(東)、シーホークス(西)、フィラデルフィア、NYジャイアンツが出場。
 決勝はダラスを下したニューオーリンズとシアトルを倒したシカゴの対戦となる。
 2月4日(日本時間5日早朝)にマイアミ・ドルフィン・スタジアムで開催される
 第41回スーパーボウルでは、ボルティモアがシカゴを21対13で下し初優勝するだろう。へスターが頑張って、21対20まで差をつめると、あとはどうなっても良く、これは望外の喜びである。

 今週、KCのラマー・ハント氏が逝去した。頼もしい友人だった。「有り難う、深く感謝しています」

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