TEAMS OF  THE DECADE
コルツ&ファルコンズの2005年正当評価

(TOUCHDOWN PRO 8月号=6月30日発売号から転載)

  インディアナポリス・コルツ
 マニングと最強攻撃が最後年を迎えスーパーボウル出場もある。守備に並のタレントが育てば、そろそろ、ダンジーに栄光があたるはず。
  コルツの課題は守備だが、攻撃に高額報酬のスター選手が多く、サラリーキャップによる限界があって、守備に回る報酬ファンドは乏しく、優秀選手を集めるのは不可能だ。守備の達人であるダンジーのタレント評価に期待して、DEフリーニーやマシスのラッシュ、FSサンダーズのヒット、LBソーントン、ジューンの成長に期待するしかない。でも、要所にゲームブレーカーは育ってきた。
  今年の大一番、対ペイトリオッツ戦は第9週11月7日(月)、アウエーでの対戦となる。ペイトリオッツは過去4年で3回スーパーボウル優勝する強豪だが、最近2年プレーオフで対戦したコルツは優勝への踏み台に利用されている。
 誰もが認めるコルツの宿敵はペ
  イトリオッツ。レギュラーシーズンでの敗戦は、コルツに厳寒のボストンでのプレーオフを強いることになり、そうでなくとも、プレーオ フでの対戦もほぼ確実視されるのだが、ダンジー・コルツ・ヘッドコーチは、ジャスト・オン・ワン・オポナント(1チームだけを意識する)ではリーグ制覇はできないと明言した。「パッツを対象にして全てを構築することは出来ない。落ち込みやすい危険な穴だね」。
  冷静で理論的なダンジーの思考には全幅の信頼が寄せられているが、理論的なギャンブルも一度はみてみたい。

  コルツは今2005年も、昨年同様に、アップテンポな攻撃と、小柄だが反応が速く攻撃的な守備でスーパーボウルを狙う。過去2年間でレギュラーシーズン24勝をあげた戦術を見直すのは、ギャンブルすぎる。
  難敵パッツ対策に新しい要素の導入はないが、過去パッツに6
 

戦全敗のQBペイトン・マニングはパッツへの挑戦への意欲を失わない。
「AFCでは、より良いチームに作り上げる努力を継続する。あえて警戒するとしたら、パッツ、スティーラーズ、そしてすべてのチーム」

  攻撃コーディネーターのトム・ムーアは、最近、2TE体型を要所で使用してきたが、TEポラードがチームを去り、WRハリソン、ウエイン、ストックリーによる3WRセットが多用するだろう。NFLのベストコーディネーターの1人であるムーアらしい選択だ。

  2003年のリーグ11位から、04年は29位と急降下した守備だが、ダンジーの守備哲学に変わりはない。細部の見直しと分担への注意でワンギャップの攻撃的システムをアップグレードさせる。
  守備コーディネーターのロン・ミークスはDE陣の成長に明るさを感じた。RDEフリーニーはフラン

  チャイズ記録となる16サック、LDEブロック(ニッケルではDTへ)キャリア最高の6・5サック、このシステムは3年目だった2人がチームの核となった。2年目のパスラッシュ・スペシャリストのマシスは10・5サックをあげ敵に恐れられた。
  QBマニングは、昨年リーグ史上最高のシーズン45TD、パッサーレーティング121・1を記録、2年連続リーグMVPに選ばれ、名実共に史上最高のQBとなった。残った課題はファーヴと並ぶ3年連続MVPとスーパーボウル出場しかない。
  スクリメージから最低2000ヤード以上を稼いだ年が3年ある、RBエジェリン・ジェームズは今年チームのフランチャイズプレーヤーとして1年間、810万ドルで契約したが、たぶんコルツの最終年となる。
  WRハリソンを含めたトリプレッツがスーパーボウルの挑戦するラストチャンスの年になる。
  アトランタ・ファルコンズ
 快足ヴィックに、WRジェンキンズの成長があれば、再びAFC選手権も。モーラはグルーデンより誠実だ。
  ヴィックの稀有の才能はよく名RBバリー・サンダースと比較される。しかし、QBであり、チームの核として、自身の安全を確保することが、ヴィックにとっては最も重要課題である。ヴィックがいないファルコンズはスーパーボウルはおろかワイルドカードへの期待すら少なくなる。
  昨年はヴィックがモーラ・ヘッドコーチとナップ攻撃コーディネーとともに過ごす最初のシーズンだった。モンタナ、ヤング、ファーヴ、マクナブといった名選手が悩んだように、ウエストコースト攻撃をマスターするのに時間が必要だ。
  ヴィックのマインドセット(考え方)は、ランである。ヴィックにとって即興の自由は重要だった。デザインされたランあるいはスクルンブルランいずれにしてもヴィックをリラックスさせ、効果的な距離を稼
 

ぎ出した。10ヤード以上のランを36回、7・5ヤードの平均獲得距離は、RBを押しのけてリーグ第1位である。一方、ランを意識するあまり、わずか321回のパスしか投げていないにもかかわらず、46回のサックを浴びた。リーグ最悪のサック数はテキサンズのカーの49回だが、カーはヴィックよりも145回も多くパスを投げている。
 サックの減少はヴィックにとって最優先事項の一つである。
  ファルコンズのラッシング攻撃はリーグトップ、しかし、パッシング攻撃は下から3番目、30位にしか過ぎなかった。そこで、今05年のヴィックの課題は、パスのタイミングとボールリプレースメント。とくに、実践プレーとして、3ステップドロップからのショートパスの習得は、攻撃の幅を広げるために不可欠。リーグ最優秀TEと評価されるクランプラーを活かし、スロットバックのスラントルートも開発できる。もしクランプラーへのパスが確立したら、ウィーク

  サイドのSEの警戒が薄くなり、さらに攻撃の幅が広がってくるはずだ。東京アメリカンボウルでは、このTEパスが最初のシリーズで登場するかもしれない。WRジェンキンズも期待したい。フラッシュな動きはないが、確実なハンドとサイズがある。
ドナテル・コーディネーターが主導する守備では、CBのホールが期待できる。ベースセットでホールにマントゥーマン・カバーを与え、予測しやすいパス守備スキームを減らし、ランプレーやサックへの対応を攻撃に強いる効果が期待できる。
  コルツとファルコンズ、2チームとも歴史に残るなにか(といえばスーパーボウルになるのかもしれないが)をやれるポテンシャルを感じる。チーム作りに哲学があるし、妙な表現だが、彼らのフットボールに愛情とか正義を感じる。たぶん、オーナー、GM、ヘッドコーチが強い信頼で結ばれているのだろう。ただし、戦力的にはコルツは今年が絶頂期、ファルコンズは
  来年当りが(現体制の)第一次黄金期になるのではないか。