Stood up NFL!

ベスト?ドリーム!パーフェクト!?絢爛豪華2011開幕

Football galvanizer
Sadao Goto
(TOUCHDOWN PRO2011年8月号より転載)

CBA2011
よりエキサイティングに、すこしリッチに

 33年振りの、136日のロックアウトの末、10年間のCBA(改訂労働協約)がオーナーと選手会で締結された。
 協約期間が10年間と長く、関係者や愛好家にとっては、じっくりと試合に取り組める結果となった。
 このCBAによれば、選手はテレビ収入の55%を分配されることになる。2014年には80億ドルとなり、15年前のリーグ全収入に匹敵する巨額な金額となる。
 練習についても制限が明文化された。夏季キャンプにおいて、パッド着用(フル装備)練習は1日に2回は行わない。また、レギュラーシーズンにおけるパッド着用の練習は14回だけ、しかも最終5週ではパッド練習は3回だけとなる。選手会は、これまでの過酷な練習による疲労や消耗が軽減して、選手寿命が3年ぐらいは伸びると予想している。
 新人の契約は4年、5年目のオプション付き(たとえば、上位10指名をうけた選手は上位10選手報酬の平均を保障される)となった。
 画期的なCBAだが、約4か月のロックアウトは、選手の練習機会を奪った。全1400名の選手のうち117名が、恵まれた練習環境を求めて、IMGアカデミックパフォーマンスセンターでトレーニングを行ったという。しかし、チーム合同練習が短くなり、練習不足により負傷の可能性が高くなったといわれる。さらに、8人の新任監督にとっては、選手の評価、指導する時間が圧倒的に足りないだろう。この短い準備期間を優位に使えるのは、選手とコーチが深い信頼関係があるチームで、メディア関連では、ペイトリオッツがさらにスーパーボウルに近づいたとの声が高い。

 

Beat team, Dream team, Perfect team
NFLチームランキング2011
GRanking 2011


後藤完夫

 危機を越えスタンダップしたNFL、CBAによる飢餓状態がスタッフ、選手、マニアを熱くして、全米の関心は9月8日(水)の92回目のレギュラーシーズン開幕に注がれている。
 先端文化を総動員した戦術の向上、優秀タレントの分散などで、NFL全体が鋭角的にレベルアップし、最近7年間はスーパーボウルの連覇がない。
今年の優勝候補筆頭は、無印から勝ち上がった昨年の充実を維持して、『ベスト』チームと評価されるパッカーズ(NFC北)、連覇すれば5度目の優勝となる。対抗は、誰もが最も進歩した『パーフェクト』のチームと口を揃えるペイトリオッツ(AFC東)だろう。優勝すれば7年振り4度目となる。この二強とほとんど差がなく3チームが追う。急台頭で『勢い』のあるジェッツ(AFC東)、強靭な『地力』で最多6回優勝のスティーラーズ(AFC北)、人気選手を集めた『ドリームチーム』のイーグルス(NFC東)だ。
 21世紀に入って10年。10回のスーパーボウルでは、AFC代表が6勝、NFCが4勝だが、最近4年ではNFCが3勝している。

 ○文中の記録、順位、表彰などは、前2010年度のリーグ内の記録、順位などです。

第1位
グリーンベイ・パッカーズ(NFC北地区 SB優勝)

 保守本流を代表する名門、1920年NFL創立メンバー。攻守蹴にタレントが揃い、マイク・マッカシーHCの的確な準備と戦術選択、チームには窮地にも崩れないメンタルの強さもある。現状ではベストチームである。
 昨年は、最終週に10勝6敗でワイルドカードに滑り込み、プレーオフ遠征3試合の激戦でチーム力が急上昇、スーパーボウル(以下SB)で31対25とシティラースを突き放し、4回目のSB優勝をとげた。
 SBのMVPは先発3年目で3位(リーグ3位、以下同じ)のパッサーに育ったQBアーロン・ロジャーズ。冷静な判断、クイックリリース、そして危機を好機にかえる脚力がある。人気QBファーブを陰から学んだ努力が実った。13・5サックのLBマシューズ、通算48インターセプトのCBウッドソンなど要所にはオールプロ級がいて、ファミリー感覚でチームがまとまる。
 SB44直後から、パッカーズSB連覇の声が高かったが、NFCの対抗馬イーグルスが好CBのアソムガ、ロジャーズークロマティを獲得した。ロジャーズには更なる進化が必要となった。
(主たる入団選手はOTデレック・シェロッド、退団選手はDEカレン・ジェンキンズ、以下同じ)

第2位
ニューイングランド・ペイトリオッツ(AFC東地区優勝)

 史上最高とも評価されるHCベルチックとQBブレイディが、周到な準備でタレントと戦術を駆使する、現代NFLの最先端。昨年のブレイディはパッサー評価数111(パッサー・レイティング=以下同じ)で第1位、335回連続インターセプトなし(史上最高)を記録した。LBメイヨはタックル数175で1位である。CBマッコーティは7パス奪取(インターセプト、以下同じ)で2位タイ。メンタル(意欲、知識)を含め、パーフェクトなチームといわれる。
 昨年は大胆な革新を計り、エースWRモスを5週で放出、シーホークスからブランチを再入団させ、TE重視のスプレッド攻撃で第1位の得点力を記録したが、プレーオフで同地区の強敵ジェッツの気迫に、めずらしく自滅した。ベテラン選手の再生には定評があり、今年はWRチャド・オチョシンコと巨漢DTアルバート・ハインズワースの大物問題選手2人を迎えた。ジェッツとの2試合、シーズン中盤11月27日イーグルス戦、翌週のコルツ戦は、見逃せない。08年スーパーボウルで逸した、シーズン全勝への挑戦を期待するマニアも多い。
(入団 WRチャド・オチョシンコ、退団 OLBタリー・バンタケイン)

第3位
ニューヨーク・ジェッツ(AFC東地区 ワイルドカード)

 強圧守備を原動力にリーグ上位に台頭、ニューヨーク市民を熱狂させる人気チーム。チームの勢いはナンバーワン。抜群の指導力とフランクな言動で人気のHCレックス・ライアンだが、2年連続AFC選手権敗退に、マスコミの目は厳しくなった。CBリービス、クロマティと一流が揃うDBは+9のボール奪取力(テイクアウエー・ギブアウエー・レシオ、以下同じ)を持つが、3年目のQBサンチェスがリードする攻撃に絶対のエースがいない。問題児ホームズ、刑期を終え再入団した36歳のWRバレスに期待していいのか。8月中旬、WRメイソンを獲得した。第1週に、レックスの双子の兄弟ロブがDCを務めるカウボーイズと対戦する。
(入団 WRプラシスコ・バレス、退団WRブラッド・スミス)

第4位
ピッツバーグ・スティーラーズ(AFC北地区優勝、SB準優勝)

 地力といった点ではリーグ一かもしれない。フィジカルと闘争心は図抜け、トムリンHCのバイタリティがチームの末端まで染み込んでいる。常にトップ級に位置する、AFCを代表する名門。
 スティール・カーテン(鉄の壁)の異名がついた70年代から、破壊力のある守備とテリブルタオルを振る熱狂的なファンが、リーグをリードしてきた。五感を越えた動きをする最優秀守備選手のSポラマール、目を覆うハードヒットとサックのLBハリソンがいる守備は失点第1位、奪取力も+17で第2位。ポラマールは7パス奪取で2位タイ。ハリソンはファンブルフォース6で2位タイ。女性問題で前半4試合出場停止となったエースQBロスリスバーガーは、シーズン最後に力尽きた。
 オフに過激ヒットの罰金問題などで話題となったが、原則としてドラフト選手を育てる方針で、居直り入団した前カウボーイズのRTアダムズが去り、後釜が気になる程度だ。WRコチョリーが加入した。
(入団 DEキャメロン・ヘイワード、退団 OTフローゼル・アダムス)

第5位 
フィラデルフィア・イーグルス(NFC東地区優勝)

 QBビック(31歳)がイーグルスを変える。チームは今オフに7年振りのSB出場を狙う、ビックを核とした強力な補強に取り組んだ。
 闘犬賭博で2年間服役したビックが、出所後にイーグルスに拾われたのは、2年前。1年はマクナブとコルブの控えに徹したが、交代出場した昨年第1週に、技術とメンタルに飛躍的進歩をみせ、先発に定着した。快足ゆえの負傷に悩みながらプレーオフ出場、パッカーズに僅差で敗れたがビックのチームが完成した。強肩、快足、運動神経は桁違い、パッサー係数は一流の100・2。快足WRジャクソンは平均第1位の22・5ヤード、RBマッコイ、得点王Kエイカース、7パス奪取で2位タイのCBサミュエルもいる。
 ベストCBであるアソムガ、ロジャーズークロマティを獲得して周囲を仰天させたが、21位の失点の向上が目的だろう。さらにCジェンキンズ、快足QBヤング(複製ビック?)、DEボビンを補強、ドリームチームと呼ばれる陣容が整った。あとは、百戦錬磨のリードHCの采配、そしてビックの安全と守備フロントセブンの安定性次第だろう。
(入団 CBナムディ・アソムアガ 退団 クインティン・マイケル)

第6位
アトランタ・ファルコンズ(NFC南地区優勝)

  着実なステップアップでSBへの階段を上るが、慎重過ぎてもどかしい。得点5位、失点3位と安定した戦力、NFC最高の13勝で3年間で2度目のプレーオフのホストになったが、あっさり21対48でパッカーズに完敗した。
 QBライアン、115捕球でリーグ1位のWRホワイト、TEゴンザレス、重量RBターナー、FBマヘリ、OTクレイボ、DEエイブラハム、CBググリムス、STウィームス、と攻守のバランス良くプロボウル組9人が揃ったが、HCスミスを含めた、大試合の経験不足としか表現できない。得点5位、失点も5位。奪取力も+14で4位。どこかで、自信がつけば一気にSBの可能性がある。
(入団 WRジュリオ・ジョーンズ、退団 Gハービ・ダール)

第7位
ボルティモア・レイブンズ(AFC北地区 ワイルドカード)

 激しく頑強な守備でプレーオフの常連だが、どうしても同地区宿敵のスティーラーズが大きな壁となっている。DTガタ、ILBレイ・ルイス、Sリードと超一流が揃った守備は失点3位、奪取力も+7。課題は距離で22位、得点で16位と切り札のいない攻撃である。
 QBフラッコは7位までパッサーの腕をあげたが、エースWRがいない。昨年迎えたWRボールディンが頑張るが、TEヒープ、WRフシュマンザーネ、メイソンが去り、FBリーチを迎えたRBレイ・ライスの奮起が必要だ。Sリードは8パス奪取で1位。ルイスのプレゲームのダンス、ポンプアップは痺れる。
(入団 FBボンタ・リーチ、退団 Sダワン・ランドリー)

第8位
ニューオーリンズ・セインツ(NFC南地区 ワイルドカード)

 はっきりいって昨年度最大の落胆チームだった。災害からの復活を目標に気力で初優勝した翌年に、主力RBに負傷多発とはいえ、プレーオフ1回戦で、史上初負越地区優勝のシーホークスに36対41で敗れたメンタルの緩みは許せない。たぶん、QBブリーズとHCペイトンは不眠の数夜を過ごしたことだろう。攻撃距離が6位(ランは28位)だが、得点は11位と下がるのは、奪取力が−6と安全性に欠けるから。しかも22被インターには捕球ミスが目立った。4位と安定した守備ではLBビルマ、CBグリア、ポーターが核となった。Sハーパーはファンブルフォース6回で2位タイ。
 ポストシーズンでは、まずメンタル。崩れたラン攻撃には、RBにスプロールズ、イングラム(ハイズマン賞)を迎えて厚みが出来た。
(入団 RBダレン・スプロールズ、退団 RBレジー・ブッシュ)

第9位
インディアナポリス・コルツ(AFC南地区優勝)

 残り53秒からジェッツに逆転された最終戦を振り返っても、課題は20位の守備、とくにラン守備。NFL史上最高のパサーと評されるQBペイトン・マニングに陰りはない。RBアダイ、TEクラークの負傷により、意思疎通を欠く捕球ミスで被奪取数が増加したが、最後には完璧に仕上げた。リーグ2位のWRウエインとのコンビは永遠の教科書だろう。とはいえ、ランが少なすぎる。シーズン前に、マニングはブレイディを超える5年1億ドルのリーグ最高報酬による更改を辞退した。チームメイトへの報酬枠を考慮した結果と報道され、賛否が話題を呼んだ。史上初の本拠地開催SB出場の可能性は15%ぐらいだろうか。
(入団 OTアントニオ・カストンゾ、退団OT チャーリー・ジョンソン)

第10位(NFC南地区3位)
タンパベイ・バッカニアーズ

 バッカニアーズは、NFLの若い力の象徴である。核となるQBフリードマンは、的確な判断、滑らかな投球、危機を脱する動きで、2年でリーグ6位のパサーに成長した。25TDで6インターはほぼ完璧な数字。2年目のWRマイク・ウイリアムス、ベテランTEウインスローが主標的にして、20位の得点力のアップを狙う。失点9位、奪取力+9の守備の中心には4年目のCBタリーブがいる。プレーオフ出場には守備ラインの奮起が必要だろう。
(入団 DEエイドリアン・クレイボーン 退団 MLB バーネット・ルード)

第11位
サンディエゴ・チャージャーズ(AFC西地区2位)

 一昔前には人気選手が揃ったオールスターチームだったが……。パッサー評価数2位のQBリバース、名手TEゲイツ、快足WRジャクソンが残る今年はラストチャンスか?
 昨年は攻守共1位(距離)と文句なしのチーム記録だったが、9勝7敗でプレーオフを逸した。仔細に見ればそれも当然で、奪取力が−6でリーグ23位。その結果、得点は2位だが、失点は10位と大幅低下した。さらに、試合毎の波が大きい、勝試合には平均20点の差をつけるが、負け試合は平均8点、つまり接戦には弱い。勝試合の貯金で、チーム記録が高いだけ。地区内は弱小、昨年は同じ弱小であるNFC西と3試合あり、それでも9勝だった。ターナーHCでは再起は厳しいかも。
(入団 ILBタケオ・スパイクス、退団ILBケビン・バーネット)

第12位
ヒューストン・テキサンズ(NFC南地区2位)

 加盟以来8年目、初のプレーオフ出場の鍵は新DCフィリップス(前カウボーイズHC)が指導する34守備の成否が握る。失点29位、喪失距離30位の成績が、各10ランクアップすれば、夢は実現する。パッサー評価数9位のQBシュワブ、レシーブ6位(距離)のWRアンドレ・ジョンソン、ラッシュ1位のエイリアン・フォスターの攻撃の核3人は、テキサンらしくスケールが大きい。名FBリーチが抜けたがビカーズを補強した。
(入団 CBジョナサン・ジョセフ、退団FBボンタ・リーチ)

第13位 
ニューヨーク・ジャイアンツ(NFC東地区2位)

 天才の弟、QBイーライ・マニングのパス力があと一歩伸びない。大胆と不注意の狭間で、リーグ2位の30TDとリーグ最悪の被奪取25。攻撃と守備(距離)はA級の5位と7位だが、得失点に結びつかない。スキルポジションはRBブラッドショー、WRマニンガムを主とする複数起用。守備ではDEタック、ユメンヨラが共に11・5サック。ファンブルフォースでもユメンヨラは10回で1位、タックは6回で2位タイ、チーム合計23も1位。数人が抜けたDLの補強は必要。宿敵イーグルスへの6連敗から、3年連続プレーオフを逸している。今年はジェッツ、パッツとの東部強豪対戦がある。
(入団 CBプリンス・アムカムラ、DTブラッド・コーフィールド)

第14位
ダラス・カウボーイズ(NFC東地区3位)

 最新の豪華本拠でスーパーボウルを制する、ゴージャスなJ・ジョーンズ・オーナーの夢は、序盤1勝7敗の大不振で吹き飛んだ(なんだか国として苦境に立つ、アメリカの夢が吹き飛んだ感じで、ちょっとさみしい)。そこで踏ん張って、リアルなアメリカズチームの再建が始まった。昨季中途からのギャレットHCは、規律を重視したアプローチを続行する。7週で負傷したQBロモが復帰、捕球数94で3位のTEウイッテン、WRオースチンを生かし、エースらしい指導力と実績を残すのが大前衛になる。笑顔だけでは、ワンステップアップ出来ない。課題は、平均27・3失点の守備、ジェッツのレックスの双子兄弟である、ロブ・ライアンをDCに迎え、1位の15・5サックのLBウエアを核に、豪快さの復活を計る。
(入団 OTタイロン・スミス、退団 Gレオナード・デービス)

第15位
カンザスシティ・チーフス(AFC西地区優勝)

 師匠パーセルズ譲りの強気のかたまり、ヘイリーHCが2年目にして地区を制した。弱小相手とはいえ、10勝と安定した原動力は1位のラン攻撃、1467ヤードで2位の敏捷なチャールズ、頑強なジョーンズの2人が背負った。主力のGウォーターズが去るのが打撃だろう。QBキャッセルも要所で安定してパッサー評価93で8位。チームリーダーのLBハリーは14・5サックで2位。ワイズOCは去ったが、WRブレストンを補強して、パス攻撃の幅を広げる。僅か14回のボール喪失はペイトリオッツに次ぐ2位、ヘイリーの指導の浸透を感じる。
 守備はサック2位のハリー、タックル&ファンブルフォースのデリック・ジョンソンとLB陣が充実している。連敗を喫したレイダーズ打倒が地区連覇への鍵だが、タフの日程でチームの真価が問われる。
(入団 WRスティーブ・ブレストン、退団 Gブライアン・ウォーターズ)

第16位
デトロイト・ライオンズ(NFC北地区3位)

 弱小チームの代名詞だったライオンズが地力をつけてきた。得点15位、失点19位、奪取力11位と成績は中位に安定、6勝10敗だったが、最終盤は4連勝した。
 起爆剤となったのは、守備最優秀新人となったDTエンダンカン・スーだろう。豪快なパワーと俊敏な動作のビッグプレーでチームの士気を一気に盛り上げる。QBヒルから大型天才WRカルビン・ジョンソン、信頼できるTEペティグリューが魅力。RBベスト、CBアンフォンソ・スミス、Pハリス、KRとPRローガンと要所に核が育った。僅差での敗戦が6試合、これをものにする強い闘争心がつけば、A級入りだ。45歳のシュワルツHCは3年目で着実に進歩している。
(入団 ILBスティーブン・ツロック、退団 WRブライアント・ジョンソン)

第17位
オークランド・レイダース(AFC西地区3位)

 レイダーズに復活気配あり。年中行事のように新HCが誕生したが、11年度のジャクソンは内部昇格なので、恒例であるアル・デービス・オーナーとの確執は少なそうだ。ロングパス攻撃こそレイダーズの基本である、と主張している(らしい)アル・デービス・オーナーが用兵、戦術、主戦QBの指名など口を挟んでいるようだ。独善的運営、オーナー会議無視の異端のデービズだが、熱狂的な支持者も多い。ラン攻撃、パス守備の片肺飛行だったが、8勝8敗の五分まで成績を戻した。RBはスピードのマクファデン、大型のブッシュの2人でラン2位、QBキャンベルのパスが地区優勝への鍵。パス守備の大黒柱CBアソムアが移籍で抜けた穴は大きい。
 昨年は地区内全勝。宿敵チーフスとの対戦は熱がこもる。
(入団 Cスティーブン・ウィスニュースキ、退団 CBナムディ・アソムガ) 

第18位
シカゴ・ベアーズ(AFC北地区優勝)

 RBフォーテイの確実なラン、OCマーツの助言で安定したQBカトラーからWRノックスへのパスもあるが、やはりベアーズの魅力はHCスミス直伝、距離9位、失点4位のカバー2守備。DEペッパース、LBブリッグス、アーラッカーと一流が揃い、PRには3TDをあげた1位のへスターがいる。
 プレーオフで負傷退場したカトラーに一部から非難が出たが、順調な成長には今季に持ち込まないことだ。RBバーバーが加わった。
(入団 OTゲーブ・カリミ、退団 Sダニエル・マニング)

第19位
サンフランシスコ・フォーティナイナース(NFC西地区3位)

 期待された闘将シングレタリーHCは開幕5連敗で解雇、今年はスタンフォード大からジム・ハーボーHCを迎えた。ハーボーはQBの指導力には定評がある、したがってQBアレックス・スミスに進む方向を示し、弱小地区のタイトルへ導く事はそんなに難しいことではない。DTジャスティン・スミス、ILBウィリスと守備に超一流がいる。得点24位、失点16位、奪取力は−1。
(入団 OLB アルドン・スミス、退団オーブレイヨ・フランクリン)

第20位
セントルイス・ラムス(NFC西地区2位)

 万年最下位から着実な進歩、7勝で地区2位まで上がった。勢いを注入したのは、一番指名で即先発、そして攻撃最優秀新人となったQBブラッドフォードに間違いない。しかし、スパグニュオロHCの誠実なチーム作りが反映するのは、守備。距離では19位だが、1位のPドニー・ジョーンズ、PR2位でKR11位のアメンドラを生かし、ホールとロングのDE陣のサックで、失点は12位まで上がった。ホールはファンブルフォース6回で2位。 “ドレッドヘア”のRBスティーブン・ジャクソンのワンマン陸軍だが、(短パスのWRアマンドーラもいるにしても)、新OCマクダニエルが新人WRを活用した、スプレッド攻撃で26位の得点力をアップ出来そうだ。すべて順調なら地区優勝の可能性もある。Pジョーンズは平均45・5ヤードで1位。
(入団 WRマイク・シムズーウォーカー 退団 Gジェイコブ・ベル)

第21位
テネシー・タイタンズ(AFC南地区4位)

 選手起用でチームが乱れ、後半の大崩れもあって、16年間HCを務めたフィッシャーが去り、OCマンチェックが後をついだ。QBコリンズ、ヤングと主力QBがチームを離れ、2500ヤード走ると一人張り切るRBクリス・ジョンソンを生かす新体制の確立に挑戦する。LBトゥルークは159タックルで2位。先発QBはハセルベックだろうが、プレシーズンで見れば、8位指名のQBロッカーも期待できる。
(入団 QBマット・ハセルベック 退団 MLBスティーブン・ツロク)

第22位
ミネソタ・バイキングス(NFC北地区4位)

 急降下。シーズン前にQBファーブのセクハラメール騒ぎ、11週にチルドレスHC解雇、13週ファーブ負傷、14週雪で本拠ドームの屋根崩落、結果6勝10敗へ。守備出身の新HCフレイジャーは、最重点のQB指導に定評のあるマスグレイブを新OCに任命、新スタートのマクナブと新人ポンダーを委ねた。攻撃は豪快なRBピーターソン。定評ある守備には、DTケビン・ウイリアムズ、LBヘンダーソンがいるが、ボール奪取力に陰りがある。
(入団 QBクリスチャン・ポンダー 退団 WRシドニー・ライス)

第23位 
アリゾナ・カージナルズ(NFC西地区4位)

 得点29位、失点30位で、5勝11敗で、一気に底辺チームとなったが、ウィーゼンハントHCにはチーム作りのハートがある。故郷スティーラーズから迎えたホートンを新DC に迎え、まず守備から取組む。昨年はワーナーの後釜のアンダーソンが、予想通りに不能状態でチームは崩壊した。
 QBコルブ、TEヒープ、新人RBライアン・ウイリアムズは攻撃に新エネルギーを持ち込むだろう。オーバーワークの守備には良い救援となりそうだ。スティーブンスーハウリングは平均27・2ヤード(2TD)でPR1位。
(入団 QBジョン・コルブ CBドミニク・ロジャーズークロマティー)

第24位
ジャクソンビル・ジャガース(AFC南地区2位)

 僅か1勝だが、8勝8敗とステップアップしたが、コルツには2勝足りない。試合平均では22・1得点、26・2失点、点差が一桁でおわった試合は4勝2敗と粘りが出てきた。−15の奪取力をあげれば、プレーオフ復活もみえてくる。チーム(そしてリーグ?)のムードメイカーである、快足タンクRBジョーンズードリューの負担を軽くするパス攻撃の向上は必須。ベテランQBギャラードと新人ガバートのどちらが、プレーオフ出場へのリーダーとなるのか。興味深い。
(入団 MLBポール・ポスルズキ 退団 WRマイク・シムズーウォーカー)

第25位
シアトル・シーホークス(NFC西地区優勝)

 USCのヘッドだったHCキャロルは、負け越しで地区優勝というリーグ史上初の快挙(?)をなしとげた。関係者の要求が強いカレッジで、優れた状況の判断力を身に着けたのだろうか。QBハセルベックが去り、QBトラビス・ジャクソンにWRライスと、去年のバイキングスそのまま布陣でシーズンインしそうだ。ファーブの再再復帰というとんでもない発想までは、ついてこないだろう。リンチ、フォーセットの2RB体制は育てたい。
(入団 WRシドニー・ライス 退団 QBマット・ハセルベック)

第26位
クリーブランド・ブラウンズ(AFC北地区3位)

 8年間プレーオフ出場なし、浮上のきっかけを模索するが、2年連続5勝におわった。
 マンジ―二に代わり新HCになったシューマーは、前ラムズOCで、自身のプレーコールで期待のQBマッコイを助け、得点31位の貧攻からの脱出を目指すが、プレシーズンでは順調だった。人気RBヒリアスがウエストコースト攻撃に取り組み、新DCジャローンは大幅に布陣をかえた43守備に変更するが、課題は多い。
(入団 WRグレッグ・リトル 退団 CBエリック・ライト)

第27位
マイアミ・ドルフィンズ(AFC東地区3位)

 ワイルドキャットを主戦体型にすえ、変化にとんだ攻撃が話題となるが、距離21位、得点30位と攻撃は低調、距離6位、失点14位で守備のチーム。2年連続の7勝9敗からステップアップしたいが、奪取力(テイクアウエー/ギブアウエー)−11の第30位を含め、長期的な構築が必要。QBヘニーは下の上といった評価、一流WRマーシャルを生かし切れていない。ブラウンが抜けた後にブッシュを補強、リッキー・ウイリアムズとの2人RB体制は維持する。LBウエイクは3位の14サック。昨年ホームゲームで1勝7敗なのは、何故か。
(入団 RBレジー・ブッシュ 退団 RBロニー・ブラウンズ)
 
第28位
カロライナ・パンサーズ(NFC南地区4位)

 加入 QBカム・ニュートン
 退出 CBリチャード・マーシャル
 フォックスが退き、ベアーズ46守備伝説の一員で、チャージャーズDCだった、ロン・リベラが新HCとなり、強力な守備は期待できる。得点32位(最下位)、失点26位、2勝14敗からの立て直し、ドラフト1位指名のQBニュートンによるパッシングゲーム確立には時間がかかるだろうか。プレシーズンではクローセンが先発した。OTグロス、Cカリル、OLBビーソンなど安定した陰の主役はいる。

第29位
ワシントン・レッドスキンズ(NFC東地区4位)

 シャナハンHC2年目、しかし前年はQBマクナブ、DTヘインズワースとの確執があり、ケメストリーが課題で残った。この過当競争の地区で、QB起用が混乱しているのは期待できない。9年目のグロスマン先発でシーズンを迎えるようだ。昨年は6勝、今年上手くいっても勝率は5割だろう。WRサンタナ・モス、LBフレッチャー、オラカポなどマニアの多いワシントンらしい個性派名手がいる。
(入団 CBジョシュ・ウイルソン 退団 DTアルバート・ヘインズワース)

第30位
デンバー・ブロンコス(AFC西地区4位)

  マクダニエル前HCの練習盗撮による悪評一掃を狙って、人気選手だったエルウエイを球団副社長に迎えた。ティーボウ対オートンのスタートQB争奪戦がマスコミのヘッドラインを賑わしているが、新コーチのジョン・フォックスの関心事は守備の向上である。昨年の4勝から五分を目指すには、まず32位(最下位)の失点の向上、19位の得点の向上はそのあとになる。しかし、リーグ1位の1448ヤードを稼いだWRブランドン・ロイド、史上最多プロボウル10回選出CBベイリーの動きは絶品。
(入団 OLB ボン・ミラー 退団 WRジェイバー・ギャフニー)

第31位
シンシナティ・ベンガルズ(AFC北地区4位)

 ベンガルズはパーマーとオチョシンコから、アンディ・ダルトンとAJグリーンへと時代のページをめくった。完全に次ぎに進むには最低1年はかかるだろう。ただし、課題は攻撃でなく守備。4勝12敗、得点22位、失点24位、ボール奪取力−8。
(入団 WR AJグリーン 退団 CB ジョナサン・ジョセフ)

第32位
バッファロー・ビルズ(AFC東地区4位)

 得点失点共に28位、4勝12敗。6年連続負け越し。ライアン・フィツパトリックとタイラー・シグペンが今年のQB、しかし、このまま2011年度シーズンを終了したら、2012年は指名1位でスタンフォード大のアンドリュー・ラックを迎え入れることになる。
(入団 DTマーセル・デリウス 退団 ILB ILBポール・ポスルズキ)

2011年度地区別順位(予想)

 ○チーム名の前の数字はランキング
AFC
東地区
(2)ペイトリオッツ
(3)ジェッツ
(27)ドルフィンズ
(32)ビルズ
北地区
(4)スティーラーズ
(7)レイブンズ
(26)ブラウンズ
(31)ベンガルズ
南地区
(9)コルツ
(21)テキサンズ
(24)ジャガーズ
(28)パンサーズ
西地区
(11)チャージャース
(15)チーフス
(17)レイダース
(30)ブロンコス

NFC
東地区
(5)イーグルス
(13)ジャイアンツ
(14)カウボーイズ
(29)レッドスキンズ
北地区
(1)パッカーズ
(16)ライオンズ
(18)ベアーズ
(22)バイキングス
南地区
(6)ファルコンズ
(8)セインツ
(10)バッカニアーズ
(12)テキサンズ
西地区
(19)フォーティナイナース
(20)ラムズ
(23)カージナルス
(25)シーホークス

2011年ポストシーズン(予想)
AFC
ワイルドカード ジェッツ@チャージャーズ、レイブンズ@コルツ
ディビジョナル ジェッツ@スティラース、レイブンズ@パイトリオッツ
AFC選手権 ジェッツ@ペイトリオッツ
NFC
ワイルドカード セインツ@フォーティナイナース、バッカニアーズ@ファルコンズ
ディビジョナル ファルコンズ@イーグルス、セインツ@パッカーズ
NFC選手権 イーグルス@パッカーズ
第46回スーパーボウル ペイトリオッツ対パッカーズ@インディアナポリス

 

グッド・クリーン・バイオレンス2011
主たる競技規則変更

 2011年度のフィールドをより安全により充実させるための競技規則の改正が行われた。公式競技規則に沿って紹介する。
1、プレー・フィールド全体の表面は、リーグが認めた緑の色彩でなければならない。
   本拠スタジアムのフィールドを濃紺色の人工芝にした米国大学の名前から、ボイズン・ステイト・ルールと呼ばれる。
2、ダブルファールで、メジャーな反則が守備チームのデッドボール・ファールだった場合、ハーフの延長は行わない。
3、キックオフでキッキングチームの制限ラインは、自陣35ヤードラインに移動した。
   キッカーを除くキッキングの選手は、ボールがレディフォープレーになった以後は、制限ラインから5ヤード以上離れてラインアップしてはならない。
4、キックオフのアウト・オブ・バウンズでは、レシービングチームはキック地点から25ヤードでボール・ポゼッションを得ることを選べる。
5、ディフェンスレス(無防備)の相手への、不正なランチングは禁止する。ランチングとは、コンタクトする前に両足を離し前方そして上方へ相手に向かって飛び込み、相手の身体のどこかに対して最初の強いコンタクトを起こすためにヘルメットを使用すること。ディフェンスレスの選手を狙ったランチングは、不正なランチングである。
   また、タックルに腕を使用したか否かに関係なく、ヘルメット、フェースマスク、前腕、ショルダーによるディフェンスレスの選手の首または頭部エリアに対する力のこもったヒットや、頭部を低くしてヘルメットのトップや前額部でディフェンスレスの選手の身体のいかなる部分に対しても、力強くコンタクトすることは禁じられた。
5、ディフェンスレスの選手に関する記載は、新しい項目であり、彼らの保護(プロテクション)の標準化である。
  キャッチに成功したレシーバーの保護は拡張され、彼らは自身を保護する時間を持つか、明らかにランナーになるまで、ディフェンスレスの選手である。
6、相手の手、腕または身体のその他の部分によるパッサーの頭部へのヒットは、力のこもった強打でない限り、反則ではない。
7、リプレー・オフィシアルが、ゲームのすべての得点プレーのレビューを行う。
   次のスナップを妨げる反則にかかわりあったチームに対しては、レビューを行わない。
8、競技規則ではないが、今季よりCBAに基づき、パフォーマンスを高める薬物の試合当日のテスティング(検査)を行う。レクレーショナルなドラッグでない。
(注)ディフェンスレスな選手とは、スローイング行為中のQB、パスを捕球しようとしているレシーバー、タックルされ前方への動きを止めているランナー、パントまたはキックオフで空中のキックにプレーしているリターナー、キックまたはリターン中のキッカーとパンター、ボールの所有が変更になった後のQB、ブラインドサイド(ブロッカーが自陣エンドゾーンの方向に動きブラインドまたはサイドから相手に接近した)ブロックを受ける選手、すでにグラウンドに倒れているプレーヤーなど。

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